音ハメがわかることについて①

お世話になっております。Rayonです。

前回の記事からだいぶ期間があきました。

この間に私は無事修士論文を提出しそびれました。

おかげで修了が延び、時間ができたわけです。今年はちゃんと就活もしないとですね(ちゃんとやっている人はこんなこと言わない)。

今回はボーッと考えているだけのことについて、お話したくなりました。内容は表題の通り音ハメについて。ただ、書いていたら長くなり過ぎたので、3つに分けて記事にします。最後までお付き合いいただけますと嬉しいです。

さあ本題です。

これは大学4年生、卒論を書いていた時に思いついたことです。

フリースタイルバスケだけでなくダンスにも存在する「音ハメ」と呼ばれる現象を、バトルを見ている人たちはどうやって認識しているのか。認識?認知?理解?どれが正確な言葉かちょっとわからないので、あえて「音ハメがわかる」や「音ハメに気付く」と表現して話していきます。

音ハメとは言わずもがな、パフォーマンスの動作、内容が音楽と合っていることです。わかりやすいのは、8カウントの8で、投げていたボールをキャッチとか、ポーズを決めるとかですね。

さて、この音ハメ、バトルなりショーケースなりを観ている全ての人がわかることでしょうか? 答えはノーだと思います。

フリースタイルバスケを知らない人にtakuroさんとBug!?さんの動画を見比べさせたら、80パーセントくらいの人がBug!?さんの方を「すごい人」だと思うでしょう。見せた後に「takuroさんは音ハメがすごいんだけど」なんて説明しても、キョトンとされるはずです。

音ハメがわかること、実は難しいことをしているんじゃないかなと、私は考えております。

何が難しいのか。音ハメがわかるとは、視覚と聴覚を同時に使う行為、マルチタスクだからじゃないでしょうか。

マルチタスクとは認知科学における概念です。ざっくりいうと、何かに注意を向ける時に使われる認知的リソース(容量や資源と考えてください)というものには限界があって、同時に2つ以上のことに注意を向けようとすると認知的リソースが足りなくなり、どちらかへの注意が疎かになったり、どちらにも注意を向けられなくなることです。TEDでのアポロ・ロビンスのトークは、マルチタスクについての直接的な言及はありませんが、注意についてとてもわかりやすく解説しています。ついでにめちゃくちゃカッコいいんですよね。(8分あるので通信制限にご注意を)

視覚と聴覚のマルチタスクの難しさを確認するのは簡単です。ラジオなりテレビの音声などでニュースをちゃんと聞きながら、サラダに入っている豆の数でも数えてみてください。きっとニュースで何を言っているか、または豆の数がわからなくなります。

さて、フリースタイルバスケにおける音ハメはどうでしょう。

観戦者の聴覚はDJが流す音楽を聴いています。さもなければ音ハメの音が聞こえません。

視覚はもちろん、フリースタイルバスケを見ています。オリジナル技にまみれたフリースタイルバスケのバトルを観戦するには、集中して動きを見て、フリースタイラーがどんな技をしているかを理解する必要があります。

フリースタイルバスケに馴染みのない人が音ハメに気づかない理由、この点だと思います。

視覚の情報処理に手一杯なのです。

そもそも日常で見たことない動きばかりなのに、そのスピードも速い。ボールの位置を追いかけるだけでも精一杯かもしれません。どんなに集中して見ても、姿勢がどうなっているのか、どうやって投げたのか、どうやって取ったのかもわからない。始めたての頃の私はわかりませんでした。

ちょっと実体験を話します。2014年の12月のことです。私は高校3年生、19歳(笑)でした。私は2014年の8月終わりにフリースタイルバスケを知り、自宅で動画を漁りつつ、ボールを回す練習をしていました。まだフリースタイルバスケのことを全くわかっていない時期です。当時アップロードされたばかりのbac to pec 2014の動画を見ていました。

その時のスピンチャンピオンはMenimoiさんでした。私は生意気にも、「このMenimoiってやつ、何がすごいんだ?」と思いました。技の理解すらできていないのに。よくわからないまま、何日も繰り返し見ていました。そして技を理解し、次の動きも思い出せるくらいになったある日、動きが音楽に合っていることに気付いたのです。ちなみに音ハメを狙ってできるものだと知らなかった当時の私の解釈は、生意気にも「こいつの技にたまたま音楽があってる。めちゃくちゃ運が良いんだな」でした。

この実体験が、さっきまでのマルチタスクの話のヒントでした。フリースタイルバスケの動きを理解するべく、視覚に認知的リソースを割いた結果、音楽が聴こえていなかったのです。音楽に合っていることに気がついたのは、動きを理解し、覚えたことで、視覚に割いていた認知的リソースを聴覚に回す余裕ができたからだと思います。

じゃあフリースタイルバスケットボーラーはどうやって初見の技でも音ハメに気付いているのか。

ここからは次回にしましょう。ちなみにですが①が1番長くなりました(笑)。

みなさまにとって新しい情報となれば嬉しいです。

次回もよろしくお願いします。

Rayon

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